ふがいない僕は空を見た
- 作者: 窪美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/07/01
- メディア: Kindle版
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女による女のためのR-18文学賞大賞、というなんとも興味深い受賞歴にそそられて読み始めた。
窪美澄という作家さんの作品自体初めてだった。
第一部の「ミクマリ」を読見終えたときは正直もう読むのをやめてしまおうかと思った。それくらいストレートな性的描写にちょっと引いてしまった。
でも読み進めていくうちに、章ごとにバトンタッチして変わっていく主人公のキャラクターや、ストーリーの繋がりが見えてくるときの快感にはまってしまい、気付いたら読み終えていた。
それぞれの人物の弱さとか足りなさがちゃんと描写されていて、ちゃんと救いもある。
個人的には、助産院や出産について多く書かれていた点、特に救われない命について、悩み考えるお母さんの台詞が好きだった。
文庫版だと巻末の解説が重松清で、これまたいい文章書いてるんだな。