ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

女による女のためのR-18文学賞大賞、というなんとも興味深い受賞歴にそそられて読み始めた。

窪美澄という作家さんの作品自体初めてだった。
第一部の「ミクマリ」を読見終えたときは正直もう読むのをやめてしまおうかと思った。それくらいストレートな性的描写にちょっと引いてしまった。

でも読み進めていくうちに、章ごとにバトンタッチして変わっていく主人公のキャラクターや、ストーリーの繋がりが見えてくるときの快感にはまってしまい、気付いたら読み終えていた。

それぞれの人物の弱さとか足りなさがちゃんと描写されていて、ちゃんと救いもある。

個人的には、助産院や出産について多く書かれていた点、特に救われない命について、悩み考えるお母さんの台詞が好きだった。

文庫版だと巻末の解説が重松清で、これまたいい文章書いてるんだな。