Iris

LiLiCoの「愛に号泣する映画」BEST10の1位の映画

アイリス [DVD]

泣けるというか、ずーんと沈む感じで、悲しいお話でした。
夫役のジム・ブロードベントの名演技。
日々病に侵されている妻にずっと添い遂げる覚悟も確かに感動できる。
でもそれより印象深かったのは、
若かりし頃男性に人気があって、たくさんの人と寝て、そういう遊び人だった妻のことを、
年老いてもなおしっかり覚えていて、嫉妬していて、消すことの出来ない相手の過去と戦っている、そんな夫の苦悩が爆発する瞬間。

あぁ、この人は勝てない相手を妬み戦い続けていたんだなあ。
それでも愛し抜くことが出来た、その強さに感動しました。

もう過ぎてしまったことをどうすることもできないもどかしさは、それを経験した本人より、経験を聞かされた相手のほうが強くて、
ずっとずっと覚えていて、苦しみ続けるのです。

そんなことなど露知らず、経験してきた本人はそれをいい思い出にしてしまったり、忘れてしまったり、勝手なもの。

自分を好きでいてくれていると思える人には、軽い気持ちで過去のあれこれを話すべきではないんです。