武器としての決断思考
あまり教養本というか、「自分を良くする!」本のようなものは読まないのだけど、
久々に興味を持てる内容だったので読んでみた。
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: 新書
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主にディベートを用いて意思決定していく方法、意見を主張することやそれに反論することの本質を事細かに解説されていた。
当たり前と言えば当たり前、というような内容が殆どだった。
なるほど、と思った点をいくつか
↓↓↓
陥りがちな「3つの歪んだ判断」
- 慣れていることを重視してしまう
人はどうしても過去を重く、未来を軽く考えがちである、ということ。
過去の経験から学ぶことも多いのだけど、それに固執してはいけない。
慣れていることから離れる怖さを乗り越えることが必要なときもある。
- 限られた情報や枠組みで捉えてしまう
究極の楽観か、究極の悲観か。
つまり「もうだめだ、どうしようもない」と悲観するか「まあどうにかなるだろう」と開き直るか。
自分は圧倒的に後者だ。
それでどうにかならなかったことはたくさんあるのにどうして変われないのか、、、
視野を広く、より多くの情報を持って俯瞰して見ることが大切、ということか。
- サンクコストの問題
これは始めて聞いた言葉。
それまでのコスト(時間やお金や労力)を過大に評価してしまうということ。
判断基準には無意識にサンクコストが大きく影響している。
大きな決断を踏みとどまらせる原因をよく考えると、案外過去のコストが惜しくなっているだけかもしれない。
「ブレないこと」に価値はない
ブレずに一つのことを継続すること。
成功者の美談としてよく語られる。
だれもが継続は力なり、と思っている。
ここに盲点があるらしい。
ブレないで続けることに本当に価値があるのか。
殊にスポーツに於いては、ルールが(大きく)変わることはなく、成功につながる「継続すべきこと」が明確である。
でも社会に於いてはルールは簡単にひっくり返ることもあるし、何をすれば必ず成功できるのか、絶対的な答えはない。
その時点で最善だと思われることを選び続けて行くしかない。
今まで大切だと思っていたことよりさらに大切だと思えることに出会ったり気付いたら直ぐ方針転換すべきである。
これは人との議論において「頑固者」にならないためにも大切なのだろう。
優秀な人ほどあっさり意見を変えるものだ、と本には書かれていた。
ブレやすい、というと聞こえが悪いが、常に正しいと思う方向に進むことは頑なでいるより良いのだろう。
(もちろん、続けるべきことを継続する力もすごく大切だと思う)
他にも意思決定すること、人との議論やインタビューにおいて大切な考え方、実践方法が盛りだくさんだった。
論理的に考えれば勝てる、正しい判断ができるということ。
社会人になるまでに是非とも身につけておきたい力だと感じた。
一応理系大学院生として、それなりの論理的思考や発言は心掛けているつもりではあるが、まったく通用しない場合、むしろ逆効果な場合も少なくない。
というか女性に対しては基本的に通用しない。
この問題に関しての画期的な対策法も本にして欲しいものだ。。。