LUCY

LUCY/ルーシー [DVD]

LUCY/ルーシー [DVD]


流行りのスカーレットヨハンソンと安定のモーガンフリーマンに超能力使えちゃう系のアクションシーンが合わされば観ないわけにはいかないだろうと思って新作を借りて観ました。


結論から言えば、これまたハズレでした。


理由①
ルーシーの性格の変わりかた

幸か不幸か、腹に詰められたお薬が体内をめぐり、脳の使用領域が格段に増えたルーシー。常人の何倍も脳を使えているのだから、感覚が研ぎ澄まされたり判断力が向上するのは良いとして、性格が変わるというのはどういうわけだろう。序盤の覚醒前のルーシーは、ザ女子大生という感じの女の子で、死体を見るだけで嘔吐していたというのに。覚醒直後から人をぱんぱん殺しまくるスーパー殺人マシーンへと生まれ変わる。脳が覚醒して「なんか色々察した」感で繋げようとしているけれど、無理があるね。人を躊躇なく撃っていいのは、悪役犯罪者、訳あり殺し屋、狂っちゃった人、あとは宇宙人くらいだろう。あくまで映画の世界では。


理由②
脳ができることすごすぎ

世界観としては、宇宙人も超能力者もいない普通の現代の設定である。いくら脳をめいっぱい使えるようになったとしても、人間を宙に浮かせたままにできるなんておかしい。ちゃんと地面に立った人間を操るのであれば、脳パワーでできなくないだろうが。どれだけ覚醒しても重力には逆らえないでいてほしかった。その他の超視力や超予知能力、超タイピング能力、超ドライブ能力等のぶっとびスキルは、脳をフルに使えばできなくもないだろう。どうせなら超自己修復くらいもできて良いだろう。


理由③
USBの容量が異常

最終的にルーシーは脳をフル活用し、世界の真理に到達し、得られた情報を全て学者たちに残して死んでいく。その際にルーシーから不思議な黒いウネウネが出て周りの機械や電力を飲み込み、部屋を真っ白空間に変え、サグラダファミリア並みの芸術的な次世代コンピュータを作り上げる。時空を超え、過去を渡り歩き、世界の真理的なものをすべて知る。超覚醒したルーシーは、その能力と引き換えに寿命がすぐ尽きることを悟り、得られた知識を現世に残そうとする。

ここまでは良い。割と自然な流れ。

しかし、問題は一番最後。ルーシーがすべての知識、経験、いろんなものを詰め込んで、命をかけて情報を一つにまとめた。まとめた先がたった一つのUSBメモリだったのだ。いくらスーパーパワーで情報を圧縮したとはいえ、いくらなんでも小さすぎないかと。

せめて外付けハードディスクくらいの大きさ、できればスパコンくらいのでっかいものに収めて欲しかった。


以上、ルーシーについてのハズレ感まとめでした。
まったく、予告動画だけじゃあ判断しきれないよ。

クローズEXPLODE

クローズEXPLODE スタンダード・エディション [DVD]

クローズEXPLODE スタンダード・エディション [DVD]

クローズ1、2に続く最新作。 小栗旬山田孝之らの下の世代の話だから、彼らが出てこないのは当然のことなんだけども、それでも作品自体は面白いはずだと、信じてみたんだけども

ハズレだった。。。

東出くんのキレた目つきとかは最高だったんだけど、 喧嘩のシーンがなんか違う。

違和感を感じたままエンドロールを見たら監督変わってたよー。 映画借りるときは監督チェックしないといけないね。

S&Mシリーズ

就職活動が解禁になり、研究に集中しきれない日々が続いております。

就活ってほんと無駄に長いよね。 経団連がどういう意図で就活解禁を遅めたのかは分からないけれど、結局学生は宙ぶらりんのまま3ヶ月近くもほっとかれることになり、夏休みは消え、内定を貰った喜びもつかの間、気づいたら修論が迫っているという構図は誰も予想できなかったのだろうか? 8月の選考開始までのんびり自己分析してられるほど大学院生は暇ではないというのに。

いや。

実際は「就活が大変で研究している暇なんてない」タイプの院生がわんさか溢れかえっているのかもしれない。少なくとも自分の周りにはたくさんいる。

まあどうにもならないことに不満を言っていても仕方がない。

就活は移動中にゆっくり本を読んで気楽に乗り切りたいところである。

最近は「すべてがFになる」の続編、森博嗣のS&Mシリーズにハマっている。

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)

これでシリーズ5冊目まで読み終えたことになる。 一貫して論理性が高い推理のシーンと、「意味なしジョーク」や恋愛の駆け引きで盛り上がる感情的なシーンが調度良い割合で混ざっていて、読者を飽きさせない。事件は1冊ごとに解決していくが、時間軸はつながっている。主軸となる二人の関係にも少しずつ変化があって、それはそれで事件の解決とは別の面白さがある。

原作厨という程でもないけれど、映像化では森博嗣の持つ言葉遣いの魅力が伝わらないだろう。

P.S.I Love You

P.S.アイラヴユー (小学館文庫)

P.S.アイラヴユー (小学館文庫)

作者のそのままの言葉じゃない気がして、和訳された海外の小説は敬遠していたんだけど、これは好きになれたんだよねー。初めて読んだのは高校生の時。ストーリーが気に入って映画もそのときに一気に観た。

そしてこの前、6年ぶりくらいに今度は彼女と一緒に観てみた。歳も環境も変わったら、印象も全然変わるもんなんだね。

話の流れとしては、単純で、若くして未亡人になった人が立ち直るまでの話。彼を亡くした悲しみで荒んでいる彼女のもとに、死んだはずの彼から手紙が届く。不定期に、それでいてすごく良いタイミングで続々と届く手紙。そこには彼女が立ち直るためのアドバイスと、必ず最後に「P.S.I Love You」が添えられている。

要所要所で出てくる彼との思い出が染みる。悲しいに決まってる。彼からの手紙はいつも暖かい。粋な計らいもあって彼女はさまざまなイベントに参加したり、新たな出会いもあったり、親身になって寄り添ってくれる親も友人も彼女を助けてくれる。カラオケで歌いまくれば立ち直れるのだろうか。新しい恋人ができれば立ち直れるのだろうか。友人と旅行に行けば立ち直れるのだろうか。母親の胸で思いっきり泣けば立ち直れるのだろうか。

大切な人がいなくなったらどう立ち直ればいいのだろう。

この映画は、その悲しみから立ち直る方法を教えてくれるわけじゃない。ただ、自分の死後まで考えて完璧な準備をして逝った彼は彼女をちゃんと導いてくれた。その方法はとてもロマンチックで優しくて理想的。現実はこんな風にはいかないのだろう。自分が感じるのはただ一つ、大切な人を大切にしようと、それだけである。

You made my life, Holly. But I’m just one chapter in yours. There’ll be more. I promise. So here it comes, the big one. Don’t be afraid to fall in love again. Watch out for that signal, when life as you know it ends. P.S. I will always love you.

最後の手紙の最後の部分。

Don't be afraid to fall in love again.

こんなことが普通言えるだろうか。 本当に本当に愛していたんだな。愛した上で、彼女のこれから先に残された人生までも大切に考えてあげることができるんだな。こんなこと言えるほど大きい人間になれるだろうか。

彼女は始終大号泣の末、もう一生観ない!と言い張って、腫れぼった目のまま眠ってしまいましたとさ。

すべてがFになる

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

森博嗣、もっと早く読み始めていればと大後悔するほどに良かった。

理系の大学生、大学院生、特にプログラムを書くような人にはとてもとてもおすすめである。自分は、読書家と呼べるほど多くの本を読んできたわけではないが、UNIXや変数の型名、16進数などが平然と文中に出てくる小説を今まで見たことがない。文中と言っても、ごく一部。でもそのごく一部の専門用語達がなかなかいい仕事をしているのだ。

建築科の助教と学生が主人公なだけあって、思考は論理的、科学的。会話も理路整然としてる。また本文の所々に見られる比喩表現も理系的だったりして気持ちいい。

熱しやすく冷めやすい、比熱の小さい金属のような感情

ストーリーは完全なミステリー。謎解き。 最後の最後までトリックはわからなかった。たばこを吸う描写が多く、喫煙者は読みながら吸わずにはいられないだろう。また、話者、と言うか文章の視点が自然に、頻繁に交代する。別にそれがわかりにくい、というわけではないけれど、少し気になった。

シリーズがまだまだあるということで、続けて読んでしまおうと思う。

花とアリス

花とアリス [Blu-ray]

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鈴木杏の全盛期。 蒼井優の初々しさ。

アリスの心の動きが非常に魅力的でした。

パーマネント野ばら

街中のパーマおばさんたち。 幼なじみの二人。 山奥に住む老夫婦。 ところどころ笑わせてくれながらも常にどこか寂しさが抜けなくて。

ほんの数年前の映画なんだけど、菅野美穂がすごく若く感じられて、作品によって歳もだいぶ違って見えるんだなあと。

最後、ぐっと切なくなっちゃう。それまでに出てくるいろんな展開とか笑っちゃうようなシーンも全部、最後の寂しさを引き立ててしまうようなかんじ。薦められるだけある、よい映画でした。

パーマネント野ばら [DVD]

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